Amazon Elastic Block Store(Amazon EBS)とは
Amazon Elastic Block Store(Amazon EBS)とは、Amazonが提供しているAWS上でストレージ(HDDやSSD)を利用できるクラウドサービスです。
仮想サーバのサービスであるAmazon EC2やデータベースのサービスのAmazon RDSやAmazon DynamoDBなど様々なサービスのストレージとしてAmazon EBSは利用されています。
Amazon EBSは内部で冗長化されているため、更に冗長化する必要はありません。
Amazon EBSをAmazon EC2やAmazon RDSに接続して、書き込み及び読み込みできるようにすることをアタッチするといいます。
1つの複数のAmazon EC2を接続することをマルチアタッチといい同一のアベイラビリティゾーンにある場合、Amazon EBSにて書き込みや読み込みをすることができます。
しかし、Amazon EBSにはロックやキャッシュなどアクセス状況を制御する仕組みがないので、同時にアクセスするとデータの破損または損失が発生する可能性があります。
そのため、筆者はマルチアタッチを推奨していません。
アタッチとマルチアタッチのイメージは以下の通りです。
また、一つのAmazon EC2インスタンスに対して、複数のAmazon EBSを接続することは問題ありません。
Amazon EBSの設定値
Amazon EBSを設定する場合、設定項目は以下の通りです。
(1) デバイス
ボリュームで使用可能なデバイス名を設定します。
「/dev/xvda」や「/dev/sdb」などを設定します。
(2) スナップショット
スナップショットのIDを設定します。
スナップショットのIDを用いて、スナップショットに保存されたデータを使用します。
(3) サイズ
Amazon EBSのストレージ容量を設定します。
単位はGiB(2の30乗バイトを表す単位)です。
1GiBは1.074GB(ギガバイト)と計算されるため、1GBより少し大きいと考えて問題ありません。
(4) ボリュームタイプ
ボリュームタイプによって、パフォーマンスや費用が変わります。
ボリュームタイムは「ソリッドステートドライブ (SSD)」と「ハードディスクドライブ (HDD)」と「旧世代」の3つに分類されます。
用途に応じてボリュームタイプを設定します。
例えば、Amazon EC2用のAmazon EBSを作成する場合、以下のいずれかのボリュームを選択します。
No | Amazon EBSボリュームの種類 | 概要 |
---|---|---|
1 | [SSD] 汎用SSD (gp2) | 読み取り/書き込み速度が速いため、処理速度を重視する場合に選択します。 料金とパフォーマンスのバランスに優れていますので、一般的に「汎用SSD」を選択します。 |
2 | [SSD] General Purpose SSD (gp3) | 読み取り/書き込み速度が速いため、処理速度を重視する場合に選択します。 料金とパフォーマンスのバランスに優れていますので、一般的に「汎用SSD」を選択します。 |
3 | [SSD] プロビジョンドIOPS SSD (io1) | 読み取り/書き込み速度が速いため、処理速度を重視する場合に選択します。 ミッションクリティカルな高パフォーマンスを利用する場合に「プロビジョンドIOPS SSD」を選択します。 |
4 | [SSD] Provisioned IOPS SSD (io2) | 読み取り/書き込み速度が速いため、処理速度を重視する場合に選択します。 ミッションクリティカルな高パフォーマンスを利用する場合に「Provisioned IOPS SSD」を選択します。 「Provisioned IOPS SSD」より耐久性が高いです。 |
5 | [HDD] Cold HDD (sc1) | 大容量のデータを保存することを重視する場合に選択します。 アクセス頻度の低い場合に選択する最も低コストのストレージです。 |
6 | [HDD] スループット最適化 HDD (st1) | 大容量のデータを保存することを重視する場合に選択します。 高いスループットを必要とするアクセス頻度の高い低コストのストレージ。 |
7 | [旧世代] マグネティックボリューム (Standard) | 小さなボリュームサイズで低コストのストレージを利用する場合に「マグネティックボリューム」を選択します。 使用することが推奨されていないストレージです。 |
(5) IOPS
1秒間あたりのI/O操作回数を設定します。
本設定は一部のボリュームタイプでしか設定することができません。
(6) スループット
単位時間あたりに処理できる量を設定します。
本設定は一部のボリュームタイプでしか設定することができません。
(7) 終了時に削除
インスタンスが終了した時に、Amazon EBS内のデータを自動的に削除するかどうか選択します。
(8) 暗号化
暗号化するかどうかを選択します。
Amazon EBSの料金
Amazon EBSは主に以下の3つの料金が掛かります。
Amazon EBSの料金は構築したリージョンごとに変わります。
(1) Amazon EBSボリューム
ストレージの使用料金です。
ボリュームタイプごとに料金が異なり、実際に使用した分の料金のみ発生します。。
(2) Amazon EBSスナップショット
Amazon EBS内のデータを保存するために、スナップショットを作成することができます。
スナップショットは作成した時点からの増分で取得しています。
新しいスナップショットを作成する場合、前回のスナップショットの後に変更したデータのみが保存されその容量分の料金が発生します。(月あたりのギガバイト単位で計算)
Amazon EBSスナップショットの料金が発生する箇所のイメージ図は以下の通りです。
緑色の箇所の料金が発生します。
[図の説明]
現在は100GB使用おり、20GBが使用している時点で1回目のスナップショットを作成して、70GB使用している時点で2回目のスナップショットを作成したことを想定しています。
スナップショットは増分で作成され、スナップショットのデータ量分の費用が発生しますので、「1回目のスナップショット(80GB)」と「2回目のスナップショット(30GB)」の費用の合計の費用が発生します。
(3) Amazon EBS Fast Snapshot Restore
高速でスナップショット復元するFast Snapshot Restore(FSR)という機能があります。
そのFSRを利用する際に料金が発生します。
EC2インスタンス以外のサービスを利用する場合は、別途料金が発生する可能性がありますので、ご注意ください。
EC2の料金や関連サービスの料金については、以下のAWSの公式サイトをご確認ください。
AWSに関する記事
AWSについての関連記事は以下の通りです。
必要に応じて、ご確認ください。